この姿を見て最初に感じる印象は、「鳥?」 ではないかと思います。口ばしには歯が付いてはいるものの体全体を覆う羽毛、そして前肢に付いた鳥のような羽軸のはっきりとした羽……今にも羽ばたいて飛び上がりそうな勢いすら感じます。ーAurornis xuiーアウロルニス・シュイ、この恐竜は中国遼寧省にある髫髻山層(Tiaojishan Formation)の約1億6000万年前の地層に埋まっていました。誰もが知るあの始祖鳥=アーケオプテリクスよりも約1000年も前の地層から発見されたのです。後肢の羽と長く伸びた尾椎は現代の鳥には見られない特徴です。この鳥には見られない特徴はいつ、どのようにして無くなったのでしょうか。詳しくは「恐竜ってどんな生き物」で考察していきます。
生物の進化とはどうのようにして起こるのでしょうか。例えば私が空を飛びたい!と強く思うと飛べるようになるでしょうか? まさかそんなことはありません。では進化とはどういうことなのでしょう。進化=突然変異種の誕生 この式の通りです。ただ、突然に遺伝子に変異が起きたからと言ってそれが進化に繋がるわけではありません。突然変異が起きた種が現存の種よりも環境適応性が勝っている、このことが条件です。言葉だと簡単ですが、実際の世界では現存種は現在の環境にとても良く適応しているので、突然変異種がオリジナルよりも優れてた特性を持つことは本当にまれなのです。だからなかなか進化というものは起こりえないのでしょう。実際にこの地球上に生きていた生物は、ほぼ全て突然変異を起こし環境により適応した新種によって駆逐されてきました。ですから尾椎が極端に短くなり、後肢の羽が無くなり、更に竜骨突起なる骨格をもつようになり胸筋を限界まで発達させ、そうして飛翔能力を獲得するということはまさに奇跡なのです。現代の鳥の存在はミラクルでグレートです。